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対話が生まれる作品 【親子観劇インタビュー】 [開幕後のレポート]

「『春のめざめ』は対話を生む作品」、そう言われることがしばしばあります。
それは、脚本を手掛けたスティーブン・セイター氏の思惑でもありました。
セイター氏は開幕前に来日した際、マスコミに向けてこう話しています。

「“世界を変えてやろう”。そんな思いでこの作品を創った」
「特にメルヒオールやベンドラたちと同じ、若い世代に観てほしい。そして両親や子どもを誘って、ご家族で。それから観終わった後、この作品についていろいろ語り合ってください」

実際、劇場には友人同士やカップル、ご家族同士など様々な組み合わせのお客さまにご来場いただいています。
そして彼の言葉通り、終演後にはあちらこちらで感想や意見を述べ合うお客さまの姿が・・・。
物語の中で子どもたちがぶつかった様々な問題が、誰もが通る道であり、そして客席に問いかけてくるからなのでしょう。

今、劇場ではどんな会話が生まれているのでしょうか?
ご家族でご来場いただいたお客さまの感想の声をご紹介いたします。

【お母さまとお嬢さま(19歳)のご家族】
娘:観終わったばかりで、いろいろ感じることがあり過ぎてなんて言っていいか分からないんですけど・・・。 最初はちょっと戸惑ってしまったところもありましたが、主人公たちと同じ世代ということもあって、共感できるところもたくさんありました。特に友だちが死んでしまうシーンではとても悲しかったです。

母:ホームページで新作のミュージカルがあると知りました。内容を見てみると青春ものということだったので、娘もちょうど良い年頃ですし、一緒に観てみようと私が誘いました。 正直を言いますと、前半は一緒に観るのは恥ずかしかったかな、まだ娘には早かったかしら、と心配になるところもありました。 でも全体を通して観ると、例えば性のことについてもとても真面目に語っていますし、ストーリーが進んでいくにつれてこうゆうことをミュージカルという形から知っていくのも良いことなのかな、と思いました。 娘は今、学校で教育について学んでいるところですので、人に物事を教える立場としても、今日の観劇はとても良かったと思います。


【お父さまとお母さま、お嬢さま(17歳)のご家族】
娘:今日は3回目の観劇です。1度目はひとり、2度目は母と、そして今日は父親も連れて3人で観に来ました。 ラブシーンとか親と一緒に観るのはちょっと恥ずかしいかな、とも思ったんですけど、でも話の内容にすごく感動して、親にも観てほしいと思いました。 実際一緒に観てみたら、考えていたよりもお互い抵抗なく、すごく楽しんでます(笑)。 今日は初めてステージシートに座ったのですが、迫力がすごかったです!

父:真横から劇を観るというのはなかなか出来ない経験ですし、迫力はもちろんのこと歌が皆さんお上手で驚きました。客席で観るよりも、舞台のクオリティの高さを味わえたのではないかと思います。

母:今は性のことなど、いろんな場所から情報を得ることができますよね。だから普段はそういうことを家で話す機会は特別ないんですけれど、でも本来は親が子どもに話すべき大事なことだと思います。そういった意味では、普段なかなか恥ずかしくて話せないようなことが、『春のめざめ』をきっかけに自然に話せる、いい機会だなって思います。


『春のめざめ』は9月5日まで。この夏休みはぜひご家族でご来場いただき、会話を楽しんではいかがでしょうか?


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ドライアイス [技術スタッフ制作レポート]

『春のめざめ』は、大きな舞台転換はありません。
多くの作品は背景幕や舞台セットの転換により場所や空間を表現しますが、『春のめざめ』の場合は始めから終わりまでひとつの舞台セットだけで様々なシーンが展開されていきます。
セリフと照明、そしてお客さまの発想を借りて、ある時は学校の教室、ある時は森の中、またある時は自宅の部屋へと変化するのです。

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男子校の教室/森の中

舞台転換はないにせよ、上演中、舞台裏が慌ただしくなる時間があります。
それは「Those You’ve Known/きみのそばに」。物語の終盤、メルヒオールがあるひとつの決断に至るシーンです。
ここでは7分間にわたってドライアイスが出続けます。
1回の公演で使用するそのドライアイスの量は80kg。
量の基準値としてオリジナルプロダクションからは、“ベンドラとモリッツの足元がスモークで見えないように”と指示があります。

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(撮影:上原タカシ)


このシーンは開幕前に来日していた演出補ジョアン・ハンターさんが舞台において一番こだわったところでもあります。
開幕前の舞台稽古では、彼女の指示のもとスモークを出すタイミングや量を検討していきました。
解凍する水温の高さによりスモークの量はある程度調整できますが、量はクリアしても温度が高くなればなるほど結露が発生しやすくなってしまいます。結露が生じると舞台やオーケストラ楽器が傷み、また床面が滑りやすくなってケガをする可能性も高まるため、極力防がなければなりません。
実験のように調整を重ねていき、今は60℃で解凍しています。

またドライアイスを出す作業のほか、スモークの流れをコントロールするための空調の調整、結露が溜まらないようにするための送風なども同時に行っています。

以上。このシーンの舞台裏を紹介させていただきましたが、ここは物語の中では重要なシーン。
物語の行方にあわせて、スモークが床一面に広がり、青い照明が差し込む神秘的な雰囲気を堪能いただければ幸いです。


(『春のめざめ』舞台監督)

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舞台上に浮かぶ文字 [開幕後のレポート]

今日は客席からではなかなか気付けない、舞台に仕込まれた『春のめざめ』の “こだわり”を2つご紹介したいと思います。

この作品は大きな舞台転換はありませんが、1幕と2幕とでは舞台が少し変化しています。
1幕が終了して休憩に入ると、舞台スタッフたちが登場。せっせと床板を外す作業に取り掛かります。1幕では約5メートル四方あった床板が、2幕には約2メートル四方の板1枚にきりになるのです。
この床板はスライド式になっていて、出演者が乗った状態で前方へ移動するなどの動きが見られます。

そこで問題です。
この床板の下には、“ある文字”が描かれているということをご存知でしたか?
板が前方にスライドした時に現れるのですが・・・。
すでにご観劇いただいたお客さまでも、これを見つけられた方はきっと少ないのではないでしょうか。
そこに何が描かれているのかは、ご自身の目をよーく凝らしてお確かめください。
ステージシートの一部または2階席からだと見えるかもしれません。

それから“文字”つながりでもうひとつ。
舞台前方(階段の上)には、アルファベットが振られています。文字の文字との間隔は2尺。これは俳優が位置確認に使うためのナンバー。通常は数字で振られることが多いのですが、『春のめざめ』はアルファベットになっています。
舞台上手(客席から向かって右手)から、「F」「R」「U」「E」「H」・・・・。
これをつなぎ合わせて見ると・・・?あるひとつの言葉になるのです。
アルファベットは全部で17文字。
これもちょっと難しいかもしれませんが、ぜひ、解読してみてください!

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今回ご紹介した、これらの“文字”は、ロンドン公演から加えられています。
『春のめざめ』はオリジナルのブロードウェイが完成版ということではなく、その後各国各地で開幕するたびに、徐々に手が加えられているのです。
進化する、『春のめざめ』。
もし機会があれば、各地で見比べるのも、ひとつの楽しみ方かもしれません。


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ハンドマイク [技術スタッフ制作レポート]

この作品は、ハンドマイクを使うという独特の演出があります。
時代設定は19世紀のドイツですが、ナンバーが始まるとマイクを内ポケットから取り出したり、また役者から役者へマイクが手渡され、歌います。
ほとんどのナンバーでは、歌っている本人以外の時は止まり、19世紀から抜け出して現代へ移るという設定。
その“現代”を表現する手法として、音楽が現代的なロックであったり照明のネオン官が光り出したりと、音楽と照明がリンクしています。

使用するハンドマイクは全部で15本。それぞれ役ごとに専用として分かれています。
そのためマイクを手渡す動きがある俳優は、自分のマイクはもちろんのこと、渡すマイクを間違わないように注意する必要があります。
「My Junk(あなたに夢中)」ではハンシェンが4人の女の子にひとつひとつマイクを手渡します。決められたマイクを決められた俳優へ渡さなければならないため、開幕前の稽古では、持ち方や渡し方に練習を重ねていました。

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(撮影:上原タカシ)


またハンドマイク以外にもピンマイクも使用しています。
2種類のマイクを使い分けることで、音響操作として特別難しいことはありませんが、音色に差を出す工夫をしています。
ピンマイクの時はセリフが自然に聞こえるように生の声に近い音色、ハンドマイクはマイクを通した時の太い音色になるように調整しています。

(『春のめざめ』音響スタッフ・W)


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音響卓から観た、『春のめざめ』 [技術スタッフ制作レポート]

今日は私音響スタッフの視点から、『春のめざめ』について紹介させていただきます。

私たち音響スタッフは開演前、50本のマイクチェックと100本のスピーカーのチェックに追われています。マイクはハンドマイク以外にも、通常のミュージカルで使用するピンマイクも使いますので、必然的に数は多くなります。

本番中は客席後方にある音響卓で、舞台を見ながら操作をしています。
開幕から1ヵ月以上経ちましたが、物語の幕開けとなる最初の一音、最初の一言が発せられる瞬間は毎回緊張します。けれどスタッフのなかではもっともお客様に近い場所にいるので、毎回客席の反応を見るのが楽しみでもあります。

そんな客席の反応で“音楽が良い”、という声をよく聞きますが、私もこの作品の音楽に魅了されたひとりです。
四季での上演が決定する前、この作品をニューヨークで観劇していました。もともとは別のミュージカルを観る目的で渡米したのですが、ちょうど『春のめざめ』がトニー賞を獲った後だったので、この機会に観ることに。
楽曲が素晴らしいことと、ハンドマイクを使用したスタイルが印象的で、四季で上演するのであれば是非担当してみたいと思っていました。

全22曲のナンバーの中で特に好きなのは「Mirror Blue Night(紺碧の夜)」。
幻想的な雰囲気が良いのですが、このナンバーは作曲家のダンカン・シーク氏からも「これまで観た中で日本の『Mirror Blue Night』がもっとも美しかった」と称賛を受けています。
ダンカン氏は東洋の音楽に大きく影響を受けているそうで、彼の作った音楽と、舞台の雰囲気、日本語の音が、彼のイメージの中で良い形になって表現されたのかもしれません。

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(撮影:上原タカシ)


次回は、ハンドマイクについて詳しく紹介したいと思います。

(『春のめざめ』音響スタッフ・W)


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